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高森明勅
2023.5.17 09:40皇室

古来の「伝統」と錯覚していたものが実はシナ由来という話

平安時代の興味深いエピソード。
西暦833年に、仁明天皇のご即位に伴う大嘗祭に先立って、
天皇が心身をお清めになる御禊(ごけい)が行われた時のこと。

御禊は賀茂川で行われる。
そこまでお出ましの行列の中に、池田朝臣春野という貴族がいた。
春野は平素から故事来歴に詳しいのを自慢していたが、
他の貴族たちの装束を嘲笑って、自分の装束こそが古来の伝統に
則っていると胸を張った。

それを見るとシナ唐のまんまだったという
(『続日本後紀』承和5年3月乙丑〔8日〕条)。

面白い話だ。

しかし現代でも、シナ由来の“男系”主義と
ヨーロッパのサリカ法的“男子”限定とのミックス
(=明治の皇室典範で初めて採用された「男系男子」限定)を、
わが国固有の伝統と思い込んでいる人が、案外いるのではないか。

 

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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